オクラホマから来た生徒の証言。
「中南部の人たちは、いったいどこに目をつけてるんだって、目なんかついていないのよ。持つ事を許されていないのよ。どんなにメディアが発達したって、私たちの日々触れるニュースはあそこではとっても限られていた。夕方のニュースの国際政治ネタが占めるのは時間にしてたったの4分ほどで、後はすべて地元のニュース。ブッシュと戦争を結び付けて考える人なんていないのよ。ブッシュに投票することは、神(の意思)に投票することだとさえ言ってる教会もあるわ。宗教ベルト*の実態とはそういうものよ。
唯一、国際政治を豊かなソースとまともな視点から見てる外国人たちには、選挙権がない。したがってニューヨークの殆どの人口が選挙権を持たない。テロにあって、確かに中南部の人たちも職を失った。景気も悪くなった。でも、テロにあった街は、ここ、ニューヨークなのよ。それを目撃したこの街の外国人たちが声を上げる権利は充分にあるわ。
オクラホマはテロにあう危険性などないのに、何を恐れてブッシュを押すのか、とよく言われるけど、それは確かだわ。戦地に送られて死ぬほうの確立の方が充分高いじゃない。でも、あの人たちには無論そんな簡単な事実さえ見えないの。見えていたとしても、隣の貧乏な街の子供がどこにいって死のうが関係ないのよ。自分たちの安全のために死ぬなら尚更ね。
税金を上げるってことを、メディアの偏った情報操作のせいで、イコール生活保護を受けてる黒人やヒスパニックをもっと甘やかすことだと思ってる。本当は、生活保護を受けてるのは田舎の白人の方が多いのに。それに代々依存してるのも、その層の方がよっぽど多いのに。戦争にいってる税金の方が生活保護の基金よりよっぽどよっぽど多いのが数字を見れば一目瞭然なのに。税金を上げるのは、本当は、自分たちの生活規準を上げるため、ということも理解できないのよ。先進国一遅れた社会福祉制度を持つ国だってことにも気付いていないんじゃないのかしら。
私の育ったところではね、民主党支持派だっていうとそれだけで「ベイビーキラー(赤ちゃん殺し)」とレッテルとはられるのよ。妊娠中絶に賛成派だからって。社会的にスティグマを貼られるのよ。民主党がどんなに正論を説いても、あそこの実態はそれではこれっぽちも変わらないわ。ディベートを見る前から、あそこの人たちは何があっても自分が共和党の支持者であることをコミュニティ単位で誓ってるんですもの。多くの土地において、共和党は、絶対的宗教なのよ」